生産管理と製造の関係について

仕事

普段は会社員としてものづくりをしているので、今回はちょっとお仕事のお話。

モノをつくるには、生産管理と製造の協力が必須です。両者の関係性について今日は書きたいと思います。

生産管理の役割とは?

製造業における「生産管理」は、製品を作るための業務全般を広く管理する仕事です。
「原材料として何をどのくらい仕入れるか」「いつまでに、いくつ製造するのか」「品質チェックはどう行うのか」など、具体的な計画を立て、出荷・納品に向けて指揮をとります。
生産管理の仕事で重要なのは、「品質(Quality)、原価(Cost)、納期(Delivery)」の3要素を高い水準でキープすることだとされています。この3要素は「QCD」と呼称され、多くの製造現場で強く意識されています。
なぜなら、QCDを最適化することで「良質なものを、安く、短納期で」提供できることから、顧客満足度が高まり、売上も好調になるためです。QCDの水準次第では、自社製品の競争力が強まったり、弱まったりします。
このようにQDCを扱う生産管理の仕事は、会社の競争力に影響を与える重要な業務だと言えるでしょう。

生産管理における9つの業務内容と「QCDの最適化」を図るポイント

生産管理とよく似た言葉として、「工程管理」や「製造管理」というものがあります。
工程管理は効率的な生産工程を管理する仕事で、製造管理は製造に特化して状況を管理する仕事です。どちらも、生産管理の幅広い業務の中の一部であるという位置づけになります。
では、生産管理は具体的にどのような業務を担うものなのでしょうか。業務内容を9つにわけて解説していきます。

業務① 需要予測

需要予測は、製品の需要を予測し、企業の利益を守る業務です。
需要があるにもかかわらず在庫が足りない場合は、利益を逃してしまうため、機会損失となります。
反対に需要を大きく上回る量の商品を作ってしまうと、在庫を抱えることになり会社の損失となってしまいます。
そのため過去の受注データや景気情報、季節的要因、競合他社の状況などを注視し、需要を予測する必要があります。

業務② 生産計画の作成

前項の需要予測をもとに製品数や納期を細かく計画するのが、生産計画の業務です。
マーケティングデータや顧客へのヒアリングを行いながら、最適な製品量・納期タイミングを計画していきます。
また、社外の情報だけではなく自社の生産ラインの状況や、作業員が確保できるのかなどの社内状況も踏まえて、プランニングを行っていく必要があります。

業務③ 調達・購買計画の作成

生産計画通りに製品を作るために、必要な資材を調達する必要があります。
そのために行う、調達・購買計画の作成も生産管理のひとつとなっています。
また、資材が不足してしまうと製造ラインそのものが止まってしまい、結果的に機会損失が生まれます。
しかし、過剰に調達してしまえば資材が余ってしまい、キャッシュフローが悪化する原因となります。
そのため、生産計画に沿って適切な数を判断し調達することが求められます。

業務④ 工程計画の作成

工程計画は、製造手順を計画したり、日程計画を立てたりする業務です。
また、工程計画に沿った工程管理も行う必要があります。
組織体制によっては、生産管理部門ではなくほかの部署が担うというケースもあります。

業務⑤ 生産実施・コントロール(工程管理)

工程計画が決まり、製造が始まった後は、計画通りに工程が進行するように管理していきます。
見るべき範囲は広く、細かく分類すると以下の管理業務が発生します。

• 受注管理
• 発注管理
• 在庫管理
• 製造管理
• 外注管理
• 進捗管理

以上の管理をおこなうことで、業務が計画通りに進むようにコントロールすることができます。

業務⑥ 関係各所との交渉

企業として利益をしっかり確保するためには、コスト管理を行わなくてはなりません。
原材料の調達コストを少しでも安くするために交渉したり、販売価格を見直すために交渉したりするのも生産管理の業務の1つです。

業務⑦ リソースの割り振り

効率的な製造のために、適切なリソースの割り振りが必要となります。
適切な人材管理を行うために、現状のリソースを把握し、見直しのタイミングを定めておくことが重要です。

業務⑧ 品質管理

品質管理は、調達資材または完成品の品質を管理する業務です。
完成品の品質チェックにおいては、製造が適切な手順で行われたかどうかも同時に確認します。
検査方法としては、全製品に対して検査を行う場合と、ランダムに製品を抜き出して検査する場合があります。
万が一不良品を見つけた場合は、同一製造日や同一ロットの製品を詳しく分析し、どこに原因があるのかを探る必要があります。

業務⑨ 在庫管理

在庫管理は、製品ごとの在庫数を把握し管理する業務です。
予測した需要と実際の需要に乖離がある場合、在庫が不足したり、または余ったりします。
そのような場合は、状況に合わせて生産計画を変更し、製造数を増減させるなどして柔軟に対応していく必要があります。

作り手(職人)の役割とは

業務① 効率管理

製造するために何人工(何時間)で製造できているのかを管理し、無駄な時間がかかっていないかを常に意識する。治具の開発や技術力向上も同時に必要となる。

業務② 人工管理

製造計画に対して、必要な人工を準備し計画的に人材育成を行う。

業務③ 予実管理

依頼内容の進捗状況を生産管理へ随時報告する。生産管理と共有のシステムやシートがあることが理想的。
納期遅延する場合は、即報告を行います。

業務④ 生産計画の修正

修正計画を立案する際には、生産管理と現場の状況を加味しながら、計画修正に協力すること。

業務⑤ 品質管理

自社・外注の品質管理・品質改善・技術指導を行い、効率よく良い製品をつくりだす必要があります。

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